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布川 雅⼦

導入

布川雅子の創作活動は、デザイン、建築、そして学術研究を横断する多様な背景に根ざしています。ニューヨークでエディトリアルデザインやグラフィックデザインの仕事を経て、日本では外資系企業のマーケティングに携わりました。その後、建築や認知神経科学を学び直し、北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院にて博士号(メディア文化論)を取得。博士論文では、アート界の構造やNFT市場など新たな芸術領域を一人称的研究から考察しました。

2022年以降、公募展や展覧会に積極的に参加し、主にアクリル絵画を中心にデジタルやミクストメディア作品も発表しています。建築的な訓練に基づく明快なフォルムの感覚と、神経科学の研究から培った知覚や創造性への感受性が作品に反映されています。

2023年に博士課程を修了した後は、日本各地を巡り、京都、奈良、伊勢、出雲、高千穂などを訪れ、2024年には四国八十八ヶ所霊場巡礼を行いました。こうした旅は、日本の精神性や土地、文化的記憶への関心を深める契機となり、2025年に札幌にアトリエを開設、本格的に制作活動に専念しています。

布川のスタイルは、構築的な明晰さと直感的な表現の均衡に特徴があります。主にキャンバスにアクリル絵具を用いながら、真鍮ワイヤーなどの素材を組み合わせ、画面を立体的に拡張します。色面や線、テクスチャーを重ねる手法は奥行きとリズムを生み出し、大胆なコントラストと繊細な階調の両方を行き来します。デザインや建築の素養と日本的美意識が交差し、記憶や共鳴、現代的な実験性を探る作品世界を築いています。

代表作シリーズ《Shroud.m(シュラウド・エム)》は、そのハイブリッドなアプローチを体現しています。絵画でありながらレリーフ的で、インスタレーションに近い表現です。キャンバスにアクリル絵具や金箔、金メッキの断片を施し、さらにビーズやイミテーションパール、レジンを組み合わせています。真鍮釘に固定された透明のアクリル棒が光の線のように画面を横断し、構図を三次元的に拡張します。金属的な質感と輝度、放射状に交差する構造によって、作品は強い光輝と宇宙的秩序を想起させ、伝統的な素材と現代的な実験性の交点に位置づけられます。

履歴書&SNS

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作品

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