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山元ゆり子

光継ぎ - Light Mending

2026年8月7日–9月6日
11:00–18:00

 

《光継ぎ(Hikari-tsugi / Light Mending)》において、山元ゆり子は、日本の伝統的な「金継ぎ」の考え方を出発点として、トラウマ、喪失、そして再生について探求しています。漆と金によって壊れた器を修復する代わりに、作家は「光による継ぎ」という発想を提示します。そこでは、傷ついた部分や失われた部分が、光そのものによって再び結び直されていきます。

山元は次のように述べています。

「壊れたもの、傷ついたものは、激しく傷ついた分だけ、失ったものが大きい分だけ、より強く輝くことができる。破壊は単なる消滅ではなく、光を宿すための準備として捉えることもできる。」

本展では、光に満たされたガラスケース作品が展示され、光は欠落や断絶の空間に宿ります。頭部を失った鳥は、輝く光の星座のような形として再び現れ、物理的な身体を超えた存在の連続性を示唆します。欠損した古典彫刻の胸像は、身体の境界を越えて広がる光の延長を獲得します。また、実際の珊瑚の枝を用いた作品では、結晶のような光の構造が繊細な自然物に新たな存在のあり方をもたらしています。

山元にとって、これらの作品は物質的な修復を目的としたものではなく、感情的、そして精神的な再生を扱うものです。

「たとえ物理的な形を失ったとしても、その存在の本質は、私たちの内にある光によって再び結び直すことができるのではないか。」

山元はこれまで一貫して、知覚、記憶、そして参加を促す体験型インスタレーションを制作してきました。《光継ぎ》においても、反射や屈折、絶えず変化する光学的な現象は、鑑賞者の立つ位置によって異なる表情を見せ、それぞれの体験を固有のものにしています。鑑賞者自身もまた、作品を構成する要素のひとつとなるのです。

《光継ぎ》は特定の物語を提示するのではなく、鑑賞者それぞれが自身の喪失、回復、そして変化の経験と向き合うための場を開きます。本展は、不在とは単なる消滅ではなく、別のかたちでのつながりや連続性の可能性であることを示唆しています。

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山元ゆり子

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山元ゆり子(1979年 兵庫県生まれ)は、京都を拠点に活動するインスタレーション・アーティストです。2002年に京都精華大学芸術学部洋画コースを卒業し、同年、PHILIP MORRIS K.K. ART AWARD 最年少受賞者となりました。 

山元は、既存の空間を没入型の環境へと変容させる体験型・サイトスペシフィックなインスタレーションを制作しています。光、音、空間、物語性、そして感覚的知覚を用いながら、意識と現実の関係性を探求し、鑑賞者を身体的な移動、記憶、そして個人的な経験を通じて作品へ積極的に関与する存在へと導きます。

その作品は、日本国内のみならず海外でも発表されており、ニューヨーク、マイアミ、バーゼル、バルセロナなどの展覧会やアートフェアに参加してきました。また、2003年にはニューヨークの MoMA PS1 において開催された First Steps: Emerging Artists from Japan に参加しています。

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